地理学本質の再吟味

DOI

書誌事項

タイトル別名
  • A Reconsideration of the Nature of Geography

抄録

史を按ずるにTIIALESがCosmologiAを著して地球の形態運動等を論じたのは西紀前六世紀の頃でありERATOSTHENUSに依て初めてΓεΩγραΨιαなる名稱が與へられたのは今を去る2170年の昔である。支那に於ても夙に地理といふ言葉が使用せられたと見えて易の繋辭傳には,仰以觀干天丸俯以察地理の文字がある。我が國へは皇紀1262年推古天皇の御宇,百濟から信觀勒が來貢して地理並びに暦天文遁甲方術の書を獻上して居り,其の後百十餘年を經て和銅6年5月には風土記の編纂が始められた。乃ち畿内七道の諸國に制して郡郷の名は好字を著け,郡内生ずる所の銀・銅・彩色・草木・禽獸・魚蟲等は共に色目を錬し,土地の沃瘠,山川原野の名號の由るところ又古老の相傅にかゝる舊聞異事を史籍に戴せて言上せしめた。延長3年の勅の中に右如聞諸國可有風土記丈とあるやうに勅を奉じて諸國からも追々獻進が續き途に66箇國の風土記が完成するに至つだのである。是れ等の風土記は一種の地方誌編成(Chorographie)と考へてよい。

収録刊行物

  • 陸水学雑誌

    陸水学雑誌 8 (3-4), 572-578, 1938

    日本陸水学会

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390282679036917120
  • NII論文ID
    130003645247
  • DOI
    10.3739/rikusui.8.3-4_572
  • ISSN
    18824897
    00215104
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • Crossref
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

問題の指摘

ページトップへ