底泥除去をアオコ防除法として選択した場合の除去泥土の利用法の提案

書誌事項

タイトル別名
  • A proposal for the use of sediment removed when dredging is adopted to control cyanobacterial bloom formation
  • テイデイ ジョキョ オ アオコ ボウジョホウ ト シテ センタク シタ バアイ ノ ジョキョ デイド ノ リヨウホウ ノ テイアン

この論文をさがす

抄録

京都市の広沢池では近年大規模なアオコが発生している。例年冬期に2ヶ月以上にわたって池全体の底が露出した状態になるにもかかわらずアオコが発生すること,および夏期のMicrocystis aeruginosaの優占が細胞分裂による増殖からは説明できないことなどから,当池では泥中のラン藻のコロニーや休眠胞子がシードポピュレーションとして重要な役割を果たしていると考えられる。冬期にはMicrocystis属のコロニーは含水率が40 %以上の底泥の表層部に密集して存在している。そのため,冬期に湿った底泥の表層部を除去することにより,アオコの発生を防除できるのではないかと考えられた。除去泥土の処理法としては農地利用が適切と考えられたため,2006年3月から2007年4月にかけて,底泥を用いて20種の作物を栽培した。その結果,10種で収量が有意に増加した。このことから,広沢池で底泥表層部を除去することによりアオコの防除が期待でき,さらに除去泥土を農地利用することによって多くの作物で増収が見込めるものと考えられた。

収録刊行物

参考文献 (40)*注記

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ