-
- 山本 優
- 国立環境研究所生物・生態系環境研究センター(客員研究員)
書誌事項
- タイトル別名
-
- Further challenges in taxonomic studies of Chironomidae (Insecta, Diptera) from morphological perspective
抄録
<p> この30年間で日本のユスリカの分類学的な知見は飛躍的に増大し,現時点で1206種の分布が確認されている。しかし,日本列島の多様な環境から,おそらく2000を超える種が分布するものと推測される。<br> 形態分類学の立場からユスリカの系統関係を推定するとき,正確な形態理解は必須条件である。しかし,特に雄生殖器の付属器や幼虫頭部の頭楯・上唇域は亜科や属間で形質状態に大きな相違が見られ,同一の名称が付けられていても,それらが相同器官であると判断するのは必ずしも容易ではない。Sther(1980)は雄生殖器基節上の三つの付属肢をvolsellaと判断し,それぞれsuperior volsella,median volsellaおよびinferior volsellaという形態述語(ターム)を与えている。この述語自体の使用はSnodgrass (1957)の解釈に基づけば形態学的には問題はないと判断されるが,各々の器官がユスリカ科全体を通して相同であると捉えることについては疑問が残る。現時点では雄生殖器に関してChironominaeについてはTokunaga(1938)あるいはEdwards(1929)に,OrthocladiinaeではSoponis(1977)の解釈に従っておく。幼虫頭部の形態についてはTokunaga(1935)の解釈を採用する。</p>
収録刊行物
-
- 陸水学雑誌
-
陸水学雑誌 78 (1), 51-58, 2016
日本陸水学会
- Tweet
詳細情報 詳細情報について
-
- CRID
- 1390282679039530624
-
- NII論文ID
- 130006405177
-
- ISSN
- 18824897
- 00215104
-
- 本文言語コード
- ja
-
- データソース種別
-
- JaLC
- Crossref
- CiNii Articles
-
- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可