非平衡量子場系 : 摂動論とO(N)-シグマ系の相転移の進行(基研研究会「熱場の量子論とその応用」,研究会報告)

書誌事項

タイトル別名
  • 非平衡量子場系--摂動論とO(N)-シグマ系の相転移の進行
  • ヒヘイコウ リョウシジョウケイ セツドウロン ト O N シグマケイ ノ ソウ テンイ ノ シンコウ

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抄録

重イオン衝突によりその生成が期待されているクォーク・グルーオンプラズマ(QGP)は膨張していく非平衡系である。これまでQGP中での様々な過程の反応率の摂動計算がなされてきたが、それらの大部分はQGPを熱及び化学平衡系とみなしていた。QGPは非平衡系であることを念頭においた計算は、今やっとその緒についたばかりである。非平衡量子場系を扱う形式として、閉時間経路(CTP)形式とnonequilibrium thermo field dynamicsがある。本講演の1部では、複素スカラー場の系を採り、CTP形式を批判的に再検討し、一般化されたボルツマン方程式を導く。II部で、その応用として、0(N)線形シグマ系を扱い、相転移の進行を時間・空間的に追跡する枠組を与える。詳細については、論文をご覧頂くとして、ここでは(特にI1部)スケッチ的な記述をとる。本講演では、平衡に近い準一様系、準定常非平衡系のように、系の様相の時間・空間的変化が緩慢である場合のみを扱う。

収録刊行物

  • 素粒子論研究

    素粒子論研究 100 (5), E40-E48, 2000

    素粒子論グループ 素粒子論研究 編集部

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