双対Ginzburg-Landau理論に基づくカラーの閉じ込めとFlux-Tubeの物理

書誌事項

タイトル別名
  • ソウツイ Ginzburg-Landau リロン ニ モトズク カラー ノ ト

この論文をさがす

抄録

双対Ginzburg-Landau理論は非摂勅諭的QCDの有効理論であり、双対Meissner効果を通じたflux-tubeの形成によりカラーの閉じ込めを説明する。本研究ではこの理論のflux-tube解を非摂勅諭的QCDに絡む以下の二つの物理の現象に応用しその解明を試みた。まず超相対論的重イオン衝突によるクォーク・グルーオン・プラズマ(QGP)相生成の機構をflux-tubeの多体系という観点から調べた。これによりflux-tubeとanti flux-tubeの対消滅過程は系に対して4 GeV/fm^3ものエネルギー堆積を与えることが分かった。このエネルギー堆積はQGP相転移温度(150〜200MeV)でのプラズマのエネルギー密度0.9〜2.5GeV/fm^3に比べて大きく、従ってこの過程はQGP相生成に対して大きな寄与を与えることが結論できる。次にバレンスクォークを含まないグルーボールを端点を持たないflux-tube ring解と同定し、それを解析することでグルーボールの諸性質を調べた。ただし古典的なflux-tube ring解はshrinkする傾向にあるためにそのままでは安定な解にはならない。そこで本研究では双対Ginzburg-Landau理論と紐の理論を融合し、南部・後藤の作用からflux-tube ringを記述して量子効果を採り入れることで安定解を探した。そしてこの解析からグルーボールの質量とサイズを評価した。

収録刊行物

  • 素粒子論研究

    素粒子論研究 97 (3), 104-155, 1998

    素粒子論グループ 素粒子論研究 編集部

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ