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- 釜井 俊孝
- 京都大学防災研究所
書誌事項
- タイトル別名
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- Observations on Landslides Movements in Residential Slopes Induced by The 2011 off the Pacific Coast of Tohoku Earthquake
- 2011ネン トウホク チホウ タイヘイヨウオキ ジシン デ ハッセイ シタ ゾウセイ ジバン ジスベリ ニ オケル ヘンドウリョウ カンソク
- Observation on landslides movements in residential slopes induced by the 2011 off the Pacific coast of Tohoku earthquake
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説明
2011年東北地方太平洋沖地震によって,仙台市緑ヶ丘4丁目では造成地盤地すべりが発生した.ここでは,約1年間にわたる地すべり変動(地表傾斜,地中傾斜),地表地震動,間隙水圧の精密動的観測結果を報告する.この斜面では,本震から10~11か月後まで,地山を巻き込む重力性の斜面変動が継続した.しかし,地中傾斜は盛土下底のすべり層で最大であり,盛土全体の地すべりが,今回の斜面変動の主体である.地中傾斜の地震応答は,すべり層や亜炭層など地盤内の弱層で最大となり,それよりも上部の盛土では増幅率が小さくなる傾向が認められた.この弱層による免震効果は,弱層の層厚や地震の震央距離によって異なり,地すべりの構造が,地震応答に強く影響を及ぼしている.過剰間隙水圧は最大水平地動速度にほぼ比例して増加した.この関係から,80 cm/sを越える強震動によって,過剰間隙水圧の増加によるすべり層強度の喪失が発生し,地すべりに至ったと推定される.また,すべり層における局所破壊が成長し,より規模の大きい地すべり変動に発展する過程が観測された.今回のような精密動的観測は,強震時における地すべりの挙動を知るうえで,基礎的な知見を提供するものとして重要である.
収録刊行物
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- 応用地質
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応用地質 53 (6), 282-291, 2013
一般社団法人 日本応用地質学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390282679070790016
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- NII論文ID
- 10031139061
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- NII書誌ID
- AN00026635
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- ISSN
- 18840973
- 02867737
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- NDL書誌ID
- 024288866
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- 本文言語コード
- ja
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- 資料種別
- journal article
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- データソース種別
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- JaLC
- NDLサーチ
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- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可