熱転写技術におけるインク技術の移り変わり2013

  • 有村 貴男
    3rd Technical Department, Inforamation Media Supplies Operations DaiNippon Printing Co., Ltd.

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タイトル別名
  • Changing of the Ink Technology in Thermal Transfer Printing 2013
  • ネツ テンシャ ギジュツ ニ オケル インク ギジュツ ノ ウツリカワリ 2013

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抄録

世の中に熱転写記録方式の技術を応用して商品が開発されたのは,1970年代後半からであり,定期券発行機のプリンターやワードプロセッサ (いわゆるワープロ) として実用化された.特にワープロにおいては,電気機器大手メーカーが多くのワープロを市場へ販売するに至り,供給が足りない程の販売台数を伸ばしていた.しかし,1980年代後半になるとソフトウエアの進化によりパーソナルコンピュータ (いわゆるパソコン) がワープロに置き換わることとなり,パソコンとプリンター (端末プリンター) とに区分されて使用される様になった.<br>現在では,この端末プリンターにおいては,利便性やコストから熱転写記録方式だけでなく,高品位の画像形成を競争しあうかたちとなり,インクジェット方式やレーザープリント方式のプリンターの台数が増加している.<br>ただし,熱転写記録方式においては作業原理が簡単な上,比較的低価格での設計が可能であり,小型化できるという特徴があるため,端末プリンター以外の分野にも数多く利用されている.<br>具体的には,熱転写記録方式には溶融型熱転写記録方式と昇華型熱転写記録方式の2つがある.<br>前者は細かな印字性や印字物の耐久性が良いことから,ファクシミリやバーコードなど多くの分野に使用されており,後者においては,階調性を豊かに表現できる点から画像を形成するフォト分野に使用されている.<br>この様な市場の変化に対して,機能性のあるインクリボンの開発が必要となり,インクの開発や塗工技術を向上することで,熱転写記録媒体としての性能も向上するに至っている.<br>本稿では,特にファクシミリやバーコード用溶融型熱転写記録媒体のインク技術の移り変わりを中心に解説する.

収録刊行物

  • 日本画像学会誌

    日本画像学会誌 52 (2), 104-108, 2013

    一般社団法人 日本画像学会

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