近点距離を利用した目の疲労測定法の検証<br>—読みやすい電子ペーパーを目指す指針として—

  • 坂本 充
    東海大学 工学部 光・画像工学科
  • 今井 順子
    東海大学 大学院 工学研究科 光工学専攻
  • 面谷 信
    東海大学 工学部 光・画像工学科

書誌事項

タイトル別名
  • Verification of Near Point Measurement as a Metrics of Eye Fatigue<br>—An Approach to Getting Objective Scale for Readable Electronic Paper—
  • 近点距離を利用した目の疲労測定法の検証--読みやすい電子ペーパーを目指す指針として
  • キンテン キョリ オ リヨウシタ メ ノ ヒロウ ソクテイホウ ノ ケンショウ ヨミヤスイ デンシ ペーパー オ メザス シシン ト シテ

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説明

本研究は紙のように読み易い電子ペーパーの実現を目指す上で必要と考えられる,読書作業における定量的な目の疲労測定法の確立を目的とし,近点距離に注目した.近点距離の測定方法には視標を近づける「消失」と視標を遠ざける「現出」の2つがある.本研究では読書作業(120分)における近点距離の増加率を測定し,主観評価結果との相関を調べたところ,「消失」測定結果は主観評価結果と統計的にも優位な相関を示したことから,「消失」近点測定の疲労測定方法としての有効性が確認できた.この「消失」による近点距離測定方法を用いて,異なる3つの表示媒体,紙/電子ペーパー(電気泳動方式の電子書籍)/液晶ディスプレイで長時間読書(270分)した時の目の疲労度を比較した.その結果,ディスプレイ使用時のみ,近点距離が時間経過に伴い増加し,電子ペーパー(電子書籍)と紙では近点距離は増加しなかった.このことから,本研究で測定対象とした電子ペーパーは疲労の観点でディスプレイより優れた媒体となっていることが示唆された.

収録刊行物

  • 日本画像学会誌

    日本画像学会誌 47 (3), 142-146, 2008

    一般社団法人 日本画像学会

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