皮膚内における可視光の超長距離伝搬

  • 黒田 章裕
    東海大学工学部光・画像工学科 黒田総合技研株式会社
  • 勝俣 栄作
    東海大学工学部光・画像工学科
  • 山﨑 寛久
    東海大学工学部光・画像工学科
  • 山 峻輝
    東海大学工学部光・画像工学科
  • 木山 修一
    東海大学大学院工学研究科電気電子工学専攻
  • 前田 秀一
    東海大学工学部光・画像工学科 東海大学大学院工学研究科電気電子工学専攻

書誌事項

タイトル別名
  • Ultra Long-range Visible Light Propagation of Human Skin
  • ヒフ ナイ ニ オケル カシコウ ノ チョウチョウキョリ デンパン

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説明

<p>赤ちゃんの皮膚は透明感があり,みずみずしく奥行きを感じる.ヒトの皮膚は半透明,多層状の構造を有しているが,屈折率が大きく変化する部位は限られているため,半透明の多層スクリーンでその光学特性を近似できる.我々は,光学近似モデルの光学特性を評価していく中で,長波長側の可視光成分が多重反射し,比較的長い距離を伝搬していく現象を観察した.長波長可視光成分には,赤色,黄色といった皮膚の色や見た目の印象を決定するための重要な光成分が含まれており,これが実際の皮膚でも生じているのか否かを確認することは,皮膚のような半透明体を光学的,画像的に解釈するための基礎理論を構築することにつながるため重要である.そこで,ヒトの前腕内側部を用いて,異なる色のレーザー光を照射した時の皮膚内の光到達距離を高感度センサーを用いて調べてみたところ,長波長側の光が短波長側と比べてより長い距離を伝搬していること,赤色レーザーの場合で,その伝搬距離は54mmに達することを見いだした.この結果は,先の光学近似モデルの結果と良い一致を見た.</p>

収録刊行物

  • 日本画像学会誌

    日本画像学会誌 56 (5), 466-472, 2017

    一般社団法人 日本画像学会

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