Safety Use of Pigments and Regulations

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  • 最新顔料講座(第II講)顔料の安全な使用と法規制
  • 最新顔料講座(第2講)顔料の安全な使用と法規制
  • サイシン ガンリョウ コウザ ダイ2コウ ガンリョウ ノ アンゼン ナ シヨウ ト ホウキセイ

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数万年前の洞窟壁画や中世の絵画,建築物等に使用されてきた無機顔料も,百年あまり前に開発された有機顔料も,ともに人類の文化的側面において重要な役割を担ってきたが,近年ではさらにその技術的・工業的役割が非常に大きくなってきている。<br>塗料,印刷インキ,文具,樹脂着色などの伝統的な応用分野のみならず,カラー化の進展にともなって先端分野を含めた産業界における顔料の重要性とその使用量は増大している。<br>しかし,それにともなって顔料の安全性にかかわる懸念や障害に関する幾多の具体的事例が多発していることも事実である。<br>ヒトのガンと化学物質との関連が初めて確認されたのは1895年のドイツの染料工場における,原料のベンジジンによる膀胱ガン事件であったが,その後も顔料・染料に起因する健康や環境への懸念を抱かせる事件は多い。<br>それは色材が,色という華麗なイメージとは裏腹に,純然たる化学物質であることに起因する。<br>無機顔料のいくつかは安全性が問題視される重金属を発色の基本とした化合物であり,有機顔料はすべて,自然界に存在しない化学構造をもった合成有機化合物である。<br>それらの顔料を用いる産業界にとっては,世界的な安全に対する認識の高まりと,産業活動のグローバル化にともない,自らの製品に対する安全対策が企業の命運をも左右しかねない状況となっている。<br>このことから,顔料の適切な選択と使用法および顔料を含む化学品を対象とした国内外の法規制の理解は非常に重要と思われる。

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