プラズモン共鳴を用いた増強分光:基礎とその展開

  • 伊藤 民武
    産業技術総合研究所健康工学研究部門
  • 山本 裕子
    北陸先端科学技術大学院大学先端技術研究科物質化学領域マテリアルサイエンス系

書誌事項

タイトル別名
  • Plasmon-Enhanced Spectroscopy: Fundamentals and Applications
  • プラズモン キョウメイ オ モチイタ ゾウキョウ ブンコウ : キソ ト ソノ テンカイ

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説明

<p>金や銀などの金属を数十ナノメートル程度のナノ粒子にするとそのサイズや形状を反映して多様で鮮やかな発色を示す。この発色現象の起源は金属の伝導電子の集団振動と光との共鳴でありプラズモン共鳴と呼ばれる。プラズモン共鳴の結果,金属ナノ粒子表面は強い局在光で被われる。この局在光と金属ナノ粒子表面の分子が相互作用することで分子の光学応答が極端に増強される。この増強現象を利用した分光をプラズモン増強分光と呼ぶ。本解説ではプラズモン増強分光の増強メカニズムについてプラズモン増強分光の一種である表面増強ラマン散乱分光を用いて解説する。そして表面増強ラマン散乱分光を1分子の構造変化の観察に応用した例を報告する。また,プラズモン増強分光にナノ粒子の代わりにプラズモニックナノワイヤーを用いる利点について紹介する。おわりにプラズモン増強のメカニズムの限界を超えたときに生じる興味深い新奇現象について報告する。</p>

収録刊行物

  • 色材協会誌

    色材協会誌 90 (12), 420-425, 2017

    一般社団法人 色材協会

参考文献 (1)*注記

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