水性インク用高分子分散顔料の特性に及ぼすポリマー物性の影響

  • 高橋 茂樹
    花王(株)テクノケミカル研究センター化学品研究所

書誌事項

タイトル別名
  • Effect of Properties of High-Molecular Weight Polymer on the Characteristics of Polymer-Dispersed Pigment in Water-Based Ink
  • スイセイ インクヨウ コウブンシ ブンサン ガンリョウ ノ トクセイ ニ オヨボス ポリマー ブッセイ ノ エイキョウ

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説明

インクジェットプリンター用インクは耐久性,記録物の画質などを向上させるために,色素として染料から顔料を用いるようになった。顔料として使用されるのは,ほとんどが有機顔料である。この顔料を分散させるためには,安定性をはじめとして種々の特性を満たす必要がある。そこで,ポリマーで顔料を分散させ,インクジェット用顔料分散体としての基本特性を検討した。その結果,分散体の初期粘度は,ポリマーの絡み合いにかかわる分子量と水和層の広がりにかかわる酸価と良好な相関関係を示した。高分子分散顔料を紙へ印字した後の画像濃度は,粒子径やポリマーの分子量には影響されず,親・疎水性を示す指標である酸価と良好な関係を示した。また,高分子分散顔料の酸価と紙との相互作用をあらわす広がり面積が画像濃度の指標となることが判明した。耐擦性は分散粒径とポリマーの分子量が関係することがわかった。

収録刊行物

  • 色材協会誌

    色材協会誌 85 (7), 271-278, 2012

    一般社団法人 色材協会

参考文献 (8)*注記

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