ナス科植物の自家不和合性

  • 円谷 徹之
    奈良先端科学技術大学院大学バイオサイエンス研究所
  • 久保 健一
    奈良先端科学技術大学院大学バイオサイエンス研究所
  • 高山 誠司
    奈良先端科学技術大学院大学バイオサイエンス研究所

書誌事項

タイトル別名
  • Self-Incompatibility in the Solanaceae: Ubiquitination-Mediated Self-/Non-Self-Discrimination
  • ナス科植物の自家不和合性 : ユビキチン化を介した自他識別
  • ナスカ ショクブツ ノ ジカ フワ アイショウ : ユビキチンカ オ カイシタ ジタ シキベツ
  • ユビキチン化を介した自他識別

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説明

自家不和合性は,遺伝的に制御された植物の自殖を防ぐ機構である.多様な植物がさまざまな仕組みの自家不和合性を進化させてきたことが明らかになってきている.われわれは,ナス科植物のペチュニアを材料に,自家不和合性の仕組みを分子レベルで明らかにすることを目指してきた.この植物では,雌ずい側因子としてRNA分解酵素(S-RNase)が,雄ずい側因子として多数のF-boxタンパク質群(SLFs)が,自家不和合性における自他識別にかかわっていることが明らかにされてきた.さらに最近われわれは,SLFsを含むユビキチンリガーゼ複合体が非自己S-RNaseをユビキチン化し,プロテアソームによる分解を誘導することで,非自己花粉管の伸長停止を回避していることを明らかにした.本稿では,最近の生化学的知見を中心に解説する.

収録刊行物

  • 化学と生物

    化学と生物 53 (12), 826-833, 2015

    公益社団法人 日本農芸化学会

参考文献 (23)*注記

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