Enzyme Chemistry of Methanogenesis and Anaerobic Oxidation of Methane

  • SHIMA Seigo
    マックスプランク陸生微生物学研究所 日本科学技術振興機構さきがけ 北海道大学低温科学研究所

Bibliographic Information

Other Title
  • メタン生成と嫌気メタン酸化の酵素化学
  • メタン セイセイ ト イヤケ メタン サンカ ノ コウソ カガク

Search this article

Description

メタンは強力な温室効果ガスであり,その大気中濃度の変化は地球環境に重要な影響を及ぼすと考えられている.メタン生成古細菌によって嫌気環境で生産されたメタンは,好気環境に拡散し,好気性メタン資化性微生物によって分解されることが知られている.最近の研究により,嫌気環境でも硫酸塩や硝酸塩などの還元反応と共役した代謝により,顕著な量のメタンが酸化分解されることが明らかになってきた.嫌気条件でメタンを酸化する古細菌(嫌気メタン資化性古細菌)は,メタン生成の逆向きの代謝で,メタンをCO2にまで酸化すると考えられている.メタン中のC–H結合を嫌気的に分解することは難しいが,メタン生成古細菌でメタン生産を触媒する酵素(メチル補酵素M還元酵素)が,逆反応でこの反応を触媒する.嫌気メタン酸化によって得られた電子は硫酸塩や硝酸塩に伝達され,エネルギーが保存されるが,その詳細はわかっていない.ここでは,この分野の最近の進展を解説するとともに,メタゲノム情報をもとに嫌気メタン酸化代謝系を考察する.

Journal

  • KAGAKU TO SEIBUTSU

    KAGAKU TO SEIBUTSU 52 (5), 307-312, 2014

    Japan Society for Bioscience, Biotechnology, and Agrochemistry

Details 詳細情報について

Report a problem

Back to top