最も初期生命に近いバクテリア

  • 高見 英人
    海洋研究開発機構 海洋・極限環境生物圏領域

書誌事項

タイトル別名
  • Bacteria Earliest Diverged from Last Universal Common Ancestor
  • モットモ ショキ セイメイ ニ チカイ バクテリア

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抄録

初期生命はいつどんな環境のもとで形作られ,どのようなものだったか? また,この初期生命がどのように進化し,現在私たちの身の回りに数多く存在するバクテリアやアーキアへと進化を遂げたのであろうか? 私たちヒトも生き物である以上,科学者のみならず誰でも共通に抱く疑問であろう.初期生命がもつ機能は単純で地球が本来もつ物理・化学的なエネルギーによって支えられたと考えられている.現在の地球環境にも,初期生命誕生の頃に近い環境が残されているとするならば,初期生命に近い姿を残した微生物が現存するのだろうか? 微生物の多くが難培養性であることはよく知られているが,近年急激に発展しつつあるメタゲノミクスを用いれば,培養に依存せずゲノム情報から初期生命の姿に迫れるかもしれない.本稿では,初期生命進化のシナリオとメタゲノミクスによって最近得られた最も初期生命に近いバクテリアについての知見を紹介する.

収録刊行物

  • 化学と生物

    化学と生物 51 (4), 214-222, 2013

    公益社団法人 日本農芸化学会

参考文献 (26)*注記

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