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Microvascular architecture of the hard palatine mucosa in the rabbit
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- カイウサギ硬口蓋粘膜の微細血管構築について (大阪歯科大学大学院歯学研究科博士論文内容要旨および論文審査結果要旨)
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Description
著者はアクリル樹脂微細脈管注入法によってカイウサギの横口蓋とヒダの微細血管構築, とくに毛細血管ループの形態とヒダの位置的相違, 固有層乳頭との関係について走査電顕を用いて詳細に観察を行い, ネコやニホンザルのものと比較考察した. カイウサギの骨口蓋には切歯孔に相当した長大な口蓋裂がある. 記載の便宜上, 硬口蓋を切歯乳頭部 (小切歯から口蓋裂前端), 口蓋裂部, 臼歯部 (口蓋裂後端から後方) の3部分に分けた. 横口蓋ヒダは硬口蓋全域に対称的に14-16本認められた. ヒダの矢状断面は切歯乳頭部では低い厚板状, 口蓋裂部では最も高く三角稜状, 臼歯部では低く三角波状であった. 硬口蓋の上皮は一定の厚さで, 固有層は切歯乳頭部で厚く, 各ヒダは固有層の隆起に相当していた. 粘膜下組織は口蓋裂部 (裂は結合組織性膜で閉鎖) で最も厚く, 発達した口蓋静脈叢が認められ, 切歯乳頭部と臼歯部では薄く, 臼歯部正中では粘膜下組織を欠き, 固有層が直接骨膜に移行していた. 硬口蓋には大, 小硬口蓋動脈が分布していた. 小硬口蓋動脈の枝がヒダ枝として第14-第16ヒダに分布していた. 大硬口蓋動脈は臼歯部では静脈叢内を, 口蓋裂後端付近から静脈叢の表層を前走し, 小切歯後方で対側のものと強く吻合していた. 大硬口蓋動脈は途中, 内側枝と外側枝を派出していた. この両枝と小硬口蓋動脈のヒダ枝は, 粘膜下組織内に1次動脈網 (粘膜下動脈網) を形成していた. 1次動脈網からヒダ内およびヒダ間へ小枝が派出していた. 前者は太く, ヒダ内の固有層で樹状分岐し, 2次動脈叢 (固有層動脈叢) を形成していた. 後者は細く数も少なく, 2次動脈叢は不明瞭で疎な網目であった. 2次動脈叢から分岐した細枝は上皮下毛細血管網を形成し, これから固有層乳頭内へ毛細血管ループが派出し, すべてのループは稜線に直交する方向に配列していた. ループの下行脚は上皮下毛細血管網の静脈側に入り, 固有層静脈叢を経て口蓋静脈叢に注いでいた. ループと乳頭は形態が相似するが, その形態はヒダ内の位置とヒダ間で相違を認めた. 1) 切歯乳頭部 : ヒダ前斜面の乳頭は細く高い長円錐状, ループはヘアピン型, 稜線の乳頭は尖端が丸い円柱状, ループは上, 下行脚間が狭く低く, 後斜面の乳頭は大きさが不ぞろいで高い円柱状, ループは上, 下行脚が基底部で開き尖端部がねじれていた. ヒダ間では乳頭は細く尖端は鋭く高く, ループはすぐ後位のヒダ前斜面のループの形態であった. 2) 口蓋裂部 : 前斜面の乳頭は基底部の矢状幅が大きく高い円錐状, ループは高く, 尖端が後方にやや屈曲, 稜線の乳頭は高く, 尖端が太い円柱状でループは2-3個連続して波状, 後斜面の乳頭は円柱状, ループは切歯乳頭部後斜面のものと類似していた. ヒダ間の乳頭は低い半球状で大型, ループは上, 下行脚間が開き, 尖端が丸く血管網が突出していた. 3) 臼歯部 : 前斜面と後斜面の乳頭とループは口蓋裂部のヒダ前斜面のものに類似し, 稜線の乳頭とループは切歯乳頭部の同部のものと類似し, ヒダ間のループと乳頭は口蓋裂部のヒダ間のものが細くなった形態であった. 結論として, カイウサギの硬口蓋の血管構築は基本的にはネコやニホンザルと同様に構成されていたが, 固有層血管叢は不明瞭であった. これはカイウサギの長大な口蓋裂と発達した口蓋静脈叢の存在により, 齧歯類としての咀嚼様式に合致したヒダの良好な発達とヒダ間の縮小のためと考えられる. またカイウサギの毛細血管ループは固有層乳頭の形態に一致し, ループは部位によってそれぞれ特徴ある形態を認めた.
Journal
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- Shikaigaku
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Shikaigaku 53 (2), g55-g56, 1990
Osaka Odontological Society
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Details 詳細情報について
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- CRID
- 1390282679186469248
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- NII Article ID
- 110001723340
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- ISSN
- 2189647X
- 00306150
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- Text Lang
- ja
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- Data Source
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- JaLC
- CiNii Articles
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- Abstract License Flag
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