日本産広葉樹41樹種の当年生陽葉における最大ガス交換速度のスクリーニング

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タイトル別名
  • Maximum gas exchange rates in current sun leaves of 41 broad-leaved tree species in Japan
  • ニホンサン コウヨウジュ 41ジュシュ ノ トウネンセイ ヨウ ヨウ ニ オケル サイダイ ガス コウカン ソクド ノ スクリーニング

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抄録

わが国の温帯性広葉樹のガス交換特性を明らかにするために,よく整備・管理された森林総合研究所の樹木園に生育する41樹種の当年生陽葉について,最大純光合成速度(Pn_<max>),最大水蒸気拡散コンダクタンス(Gw_<max>),および水利用効率(WUE,Pn_<max>/Gw_<max>)を比較した。さらに,Pn_<max>とGw_<max>を用いた各樹種の水分要求度判定を行い,経験的に知られている各樹種の水分要求度との比較を試みた。その結果,Pn_<max>は,41樹種全体で9〜21μmolCO_2m^<-2>s^<-1>の範囲であった。常緑性広葉樹と落葉性広葉樹のPn_<max>を比較した結果,両者に大きな違いは認められなかった。Gw_<max>は50〜900mmolH_2Om^<-2>s^<-1>の範囲で,常緑広葉樹に比べ落葉広葉樹で高いGw_<max>の値を示す樹種が比較的多かった。また,WUEは,10〜90×10^<-6>molCO_2molH_2O^<-1>の範囲で,落葉広葉樹は常緑広葉樹に比べWUEの低い樹種が比較的多かった。Pn_<max>およびGw_<max>の関係から得られる各樹種の水分要求度判定指標では,41樹種中21樹種で生態学的な経験で知られている乾湿分布の知見とほぼ同じであったが,残りの20樹種では異なった。種の生態的分布を生理的特性から説明するためには,土壌養・水分,大気湿度,光,温度などの環境要因とガス交換速度の関係に対する数量的な解析が必要である。

収録刊行物

  • 森林立地

    森林立地 41 (2), 113-121, 1999

    森林立地学会

被引用文献 (3)*注記

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参考文献 (29)*注記

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