クエン酸で脱灰された湿潤象牙質への接着

  • 平沼 克己
    東京医科歯科大学医用器材研究所有機材料部門

書誌事項

タイトル別名
  • Adhesion to Wet Dentin Demineralized by Citric Acid

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抄録

湿潤象牙質への接着を解明するため, 10%クエン酸水溶液(10-0)または10%クエン酸・3%塩化第二鉄水溶液(10-3)で脱灰された象牙質に, 4-METAのアセトン溶液プライマーを塗布後, MMA-TBB系レジンでアクリル棒を接着した.残留脱灰象牙質を検出できるミニダンベル型接着試料を作り接着強さを測定した.湿潤10-0脱灰象牙質へMMA-TBBレジンを接着した場合5.7MPaであるが, 4-META/MMA-TBBレジンを用いると11.9MPaと接着強さは有意に向上した.湿潤10-3脱灰象牙質に, MMA-TBBレジンを用いた場合には14.2MPa, 4-META/MMA-TBBレジンでは18.9MPaの値が得られた.特に10-3で脱灰された湿潤象牙質へ4-META/MMA-TBBレジンを接着した試料では, 残留脱灰象牙質のない良好な樹脂含浸象牙質が生成されていることが確認され, この接着は耐久性を期待できる.

収録刊行物

  • 歯科材料・器械

    歯科材料・器械 16 (6), 449-457, 1997

    一般社団法人 日本歯科理工学会

被引用文献 (1)*注記

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参考文献 (32)*注記

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