材密度変化による主要な針葉樹人工林における枯死木の分解速度推定

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タイトル別名
  • Estimating decay rates of dead wood by changes in wood density in coniferous plantations in Japan
  • ザイミツド ヘンカ ニ ヨル シュヨウナ シンヨウジュ ジンコウリン ニ オケル コシボク ノ ブンカイ ソクド スイテイ

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抄録

我が国の針葉樹人工林における切り捨て間伐時に発生する枯死木の分解速度を,間伐によって放置された材の密度低下量と,切り捨て間伐後の経過年数から算出した。分解速度は指数関数D=a exp(-kt)(D:材密度,a:定数,t:時間,k:分解定数)の分解定数kで比較した。全国15道府県で調査を行い,間伐履歴のあるスギ,ヒノキ,カラマツ,トドマツ及びアカエゾマツ林分において,倒木と根株,および立枯木の分解速度を求めた。倒木と根株は2つの直径クラス(5-15cm,15-40cm)に分けて分解定数を求めた。樹種別に分解速度を比較すると,寒冷地に植栽されるアカエゾマツとトドマツ,カラマツは,スギやヒノキよりも分解が遅く,ほぼ同じ気候範囲に植栽されるスギとヒノキには樹種間差がなかった。形態別に比較すると,立枯木は根株と倒木よりも非常に分解が遅かった。倒木の5-15cmの分解定数は積算気温と実蒸発散量(AET)と正の相関を示し,小径な倒木は温暖で湿潤な地域で分解が速かった。倒木の15-40cmと根株では分解速度と気象要因との関係は不明瞭であったが,寒冷地ではほとんど分解しなかった。

収録刊行物

  • 森林立地

    森林立地 50 (2), 153-165, 2008

    森林立地学会

被引用文献 (4)*注記

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参考文献 (36)*注記

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