森林土壌における気候帯別の窒素無機化 : 土壌理化学性,気温,土壌型による現地窒素無機化速度の推定

書誌事項

タイトル別名
  • Nitrogen mineralization of forest soil along the climate in Japan : estimation of rate of nitrogen mineralization in the field by soil properties, temperature and soil type
  • シンリン ドジョウ ニ オケル キコウタイベツ ノ チッソ ムキカ ドジョウ リカガクセイ キオン ドジョウガタ ニ ヨル ゲンチ チッソ ムキカ ソクド ノ スイテイ

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抄録

日本の気候帯を代表する森林の表層土壌中の現地窒素無機化速度および無機化量を把握することを目的に,レジンコア法による野外培養法で窒素無機化速度を測定した。現地窒素無機化速度や無機化量は温帯土壌で大きく,亜寒帯や亜熱帯土壌で小さかった。現地窒素無機化率は亜寒帯から暖温帯へと大きくなった。一方,室内培養による窒素無機化速度や無機化率は亜寒帯の土壌で高く,気温が高い環境下の土壌ほど小さくなった。室内培養による窒素無機化速度は全窒素含有率と有意な正の相関が認められた。室内培養による窒素無機化速度と,現地と室内培養における積算気温の比から求めた現地の窒素無機化ポテンシャルは現地窒素無機化速度に比べて大きく,より寒冷で室内培養温度と現地の温度差が大きい積算気温比が小さい土壌ほど,窒素無機化ポテンシャルと現地無機化の速度比が大きかった。全窒素含有率,積算気温比および土壌型を要因とした重回帰モデルから現地窒素無機化速度を推定した結果,多くの土壌では推定値と実測値との関係は良好であった。このことから,土壌の全窒素含有率と,アメダスデータや土壌図など容易に入手可能なデータを用いて現地の窒素無機化速度を推定するこの方法は有効であると考えられた。

収録刊行物

  • 森林立地

    森林立地 49 (2), 123-131, 2007

    森林立地学会

被引用文献 (2)*注記

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参考文献 (46)*注記

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