明瞭な膵管像を描出しえた胃迷入膵の1例

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  • A CASE OF GASTRIC ABERRANT PANCREATIC TISSUE DETECTED FINE PANCREATOGRAM BY ENDOSCOPICAL CANNULATION

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抄録

患者は38歳男性.胃検診にて胃体部小彎の隆起性病変を指摘され当科受診.胃X線検査,胃内視鏡検査にて胃体上部小彎に5×4cmの隆起性病変を認めた.隆起性病変は正常粘膜におおわれ,中央に陥凹を有し,bridging foldを伴っており,胃粘膜下腫瘍と診断した.超音波内視鏡検査では胃壁内第3層に存在する充実性の腫瘤像を呈し,導管を思わせる管状,輪状の管腔構造を認め,迷入膵に特徴的な所見と思われた.内視鏡下で腫瘤中央の陥凹部より採取した液は重炭酸濃度,Amylase値が高値であることより膵液と考えられた,2回目の胃生検で膵組織が得られ胃迷入膵と診断した.陥凹部よりの造影では導管像と腫瘤に一致した多発性の斑状の腺房像が得られた.本例では胃生検のみならず超音波内視鏡,膵液採取および膵管造影にて胃迷入膵の診断を行い得たので報告した.

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