食道ESD後の狭窄対策

  • 竹内 学
    新潟大学医歯学総合研究科 消化器内科学分野
  • 橋本 哲
    新潟大学医歯学総合病院 光学医療診療部
  • 小林 正明
    新潟大学医歯学総合病院 光学医療診療部
  • 佐藤 祐一
    新潟大学医歯学総合研究科 消化器内科学分野
  • 成澤 林太郎
    新潟大学医歯学総合病院 光学医療診療部
  • 青柳 豊
    新潟大学医歯学総合研究科 消化器内科学分野

書誌事項

タイトル別名
  • PREVENTION OF SUBSEQUENT STRICTURE FORMATION AFTER ESOPHAGEAL ENDOSCOPIC SUBMUCOSAL DISSECTION

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説明

亜全周性・全周性食道癌ESD後の術後狭窄に対して,これまで主にバルーン拡張術が行われてきた.週1-2回の間隔で術後早期より開始し,狭窄の程度を確認しつつその間隔を延ばしていくが,患者に長期間負担を強いることや,瘢痕化した狭窄の拡張では穿孔の危険を伴うことが課題であった.それらを克服する目的で2008年1月よりわれわれは,ESD後の術後狭窄対策として,食道の炎症や食道拡張術後に使用されてきたステロイド(ケナコルト®-A)をESD切除面に局注することを開始した.原液のまま1回約0.2mlずつ,膨隆を形成するように潰瘍面の浅層に局注する.これを潰瘍面に満遍なく施行し,術後早期より週2回,計2-4回繰り返し局注を行った.亜全周切除例では約80% において追加EBDは不要で,全周切除例ではEBD単独に比べ追加EBD回数を減らすことが可能であった.よってステロイド局注療法はEBDに代わる術後狭窄対策となりうると考える.一方,ステロイド局注による遅発性穿孔の報告があることより,決して固有筋層へは局注せず,切除面の浅層に局注することが重要である.

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参考文献 (12)*注記

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