IBD初期病変の拾い上げのコツ

  • 畑田 康政
    社会保険中央総合病院 消化器内科・内視鏡センター

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  • HOW TO PICK UP EARLY LESIONS OF INFLAMMATORY BOWEL DISEASE

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抄録

Crohn病および潰瘍性大腸炎の初期病変として,いわゆるアフタ様病変が考えられている.内視鏡観察時に着目する点は,1)陥凹部の発赤・白苔,2)周囲の隆起,3)分布(部位,密度,配列)で,詳細な観察のためにインジゴカルミンなどの色素散布はできるだけ行う.初期病変と考えられる所見として最も多いのは,中央に小陥凹・びらんをもつ小隆起の形態であるが,IBDに特異的なものではなく,縦走性配列や分布も診断の確定とはならず,非乾酪性類上皮細胞肉芽腫などの病理組織所見を参考にする必要がある.大腸がアフタ様病変のみの場合,上部消化管や小腸の検索が必要であり,特に上部消化管の所見が参考になる.胃体上部から噴門部にかけての「竹の節状外観」が特徴的であるが,Crohn病に特異的な所見とはいえない.IBDの初期病変と診断するには消化管以外の症状や家族歴を含めた詳細な病歴をとり全身的にみていくことが重要である.

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参考文献 (22)*注記

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