<i>Microccus gluamicus</i> の細胞学的研究

書誌事項

タイトル別名
  • Cytological Studies on <i>Micrococcus glutamicus</i>
  • Micrococcus glutamicusの細胞学的研究-6-
  • Micrococcus glutamicus ノ サイボウガクテキ ケンキュウ 6
  • Cytological Studies on Micrococcus glutamicus
  • Part VI. Investigations of Substances with have the Effects of Cell Elongation and Enlargement
  • 第6報 細胞伸長肥大効果物質について

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抄録

Micrococcus glutamicus はクエン酸ナトリウムあるいはリンゴ酸ナトリウムを添加した合成培地中で伸長肥大, ときに分岐などのごとく, いちじるしい形態変化をおこなうことを知った (前報) ので,さらにこのような効果をしめす物質を探求し, つぎのごとき諸点を明らかにした.<br>1. クエン酸の種々の塩類のうち, ナトリウム塩に相当する効果を示すものはアンモニウム塩とカリウム塩のみである. カチオンの影響が強い.<br>2. 種々の有機酸のうち, シュゥ酸のナトリウム塩は強い伸長肥大分岐効果をしめす.<br>3. アミノ酸類は一般には生育を促進するが L-システィンは 50~100mg/ml の濃度で生育を阻害し, 50mg/ml の添加により伸長肥大菌を形成する.<br>4. ペニシリン低濃度 (0.6~2.0mcg/ml) 添加によりいちじるしい多細胞体の形成をみた. このときの菌長は数 10μ に達する. ペニシリン添加により形成される多細胞体は, ビオチンを 100γ/l 添加することにより形成されなくなる. このことより,ペニシリンは細胞質分裂阻害より, むしろ細胞分離阻害と考えられる.<br>5. ストレプトマイシンは菌形態を小型化ぜしめる. 0.4~0.8mcg/ml 添加により, 菌体中にかなり大きい液胞様構造が出現する.<br>6. マイトマイシン C は, 0.2~0.8mcg/ml 添加によりいちじるしい多細胞体の形成をみ, 菌全長はときに10μを越えることもある. このような菌は, 概して末端細胞は膨大化し, いわゆるこん棒状を呈するが, その反対に, 末端が縮小したものもよく観察された.

収録刊行物

  • 植物学雑誌

    植物学雑誌 74 (881-882), 498-508, 1961

    公益社団法人 日本植物学会

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