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- 和田 清美
- 静岡大学理学部生物学教室
書誌事項
- タイトル別名
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- Studies on the Flower Initiation in <i>Pharbitis</i> Seedlings I
- アサガオの花芽分化についての研究 とくに莖頂の令(age),および葉・花葉原基の莖頂での分化速度の比較〔英文〕
- アサガオ ノ カガ ブンカ ニ ツイテ ノ ケンキュウ トクニ ケイチョウ ノ レイ age , オヨビ ハ ハナ ヨウ ゲンキ ノ ケイチョウ デ ノ ブンカ ソクド ノ ヒカク エイブン
- Studies on the Flower Initiation in Pharbitis Seedlings I
- Ages of Shoot Apices and Initiation Rates of Leaf Primordia at the Shoot Apex
- とくに茎頂の令(age), および葉•花葉原基の茎頂での分化速度の比較
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説明
アサガオ (紫) の芽ばえを用いておこなった花芽分化についての実験の一部として, 頂芽と腋芽の茎頂の令をかんたんな数値で表現する試みをおこなった. 芽ばえの発育に伴って茎頂は葉原基を順次分化するが, それらの初期発生はそれぞれ, 初•中•後の3段階 (early, mid, and late substage) を経ておこなわれることを解剖顕微鏡下で観察した. これにもとづき, 観察時の茎頂が第何葉目の葉原基をどの様な段階でもつかを知ることによって, 茎頂がそれまで経験した葉原基分化の段階数を総計し, その数値で茎頂の令をあらわした. 例えば, 観察時に茎頂がすでに8枚の葉を分化しており, 第9葉原基をその分化段階の中期の状態でもつとき (L9-s2) と記号であらわす. これは, 8×3(substages)+2(substages)=26(substages), すなわち (L9-s2=26) で茎頂の令をあらわす. 又, 花葉についてはそれぞれを一枚の葉と同じとしてあつかった. さらに各原基の分化速度は, 日数あたりの茎頂の令の進行数であらわした.<br>芽ばえが連続光下におかれたとき, 花芽分化は全く見られず, 頂芽•腋芽ともに葉芽として葉原基を分化しつづける. 腋芽の場合, その葉原基分化速度は腋芽間でほぼ等しく, 茎頂令を縦軸に, 観察日数を横軸にしてグラフを描くと, 同じ勾配をもつ直線的なグラフがえられる. これらのグラフは互いに平行でその間隔は30~42時間である. 頂芽についてのグラフも直線的であるが, 頂芽優勢を示して腋芽のものとくらべて勾配が急となっている.<br>一回の16~24時間の暗期によって開花誘導をうけた芽ばえの頂芽•腋芽の茎頂では, 葉原基分化にひきつづいて花葉原基の分化が始まる. 茎頂でのそれらの分化速度は, 暗期後1~2日は連続光下のものと差が見られないが, 2, 3, 4日と日数のますにつれて差が生じとくに3~4日後からは全く大きな差となる. 暗期後からの3~4日間を花芽分化の初期相とよぶことにする. さきの場合と同様にしてグラフを描くと, 頂芽と各腋芽 (第1葉腋芽を除く) で同じ勾配をもつ同じ型のグラフがえられることより, 花芽分化にさいして茎頂でおこる変化は頂芽•腋芽で同一の過程を経て進行すると思われる. 又,各腋芽についてのグラフは互いに平行し, その間隔は24~32時間で葉芽分化の場合にくらべ8~10時間だけその間隔がせばまっている. これらより開花誘導後, 花芽分化初期相において, はやくも茎頂で原基形成能が高まることが示された.この増大と幼芽重量の増大および葉原基の伸長との関係についてもしらべた.
収録刊行物
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- 植物学雑誌
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植物学雑誌 80 (946), 161-171, 1967
公益社団法人 日本植物学会
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キーワード
詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390282679200723840
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- NII論文ID
- 130004213047
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- NII書誌ID
- AN00117934
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- ISSN
- 21853835
- 0006808X
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- NDL書誌ID
- 8252648
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- データソース種別
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- JaLC
- NDLサーチ
- Crossref
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可