MPN法を用いた定性的微生物学的試験データからの食品中微生物濃度の推定

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  • Estimation of Microbial Concentration in Food Products from Qualitative, Microbiological Test Data with the MPN Technique

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抄録

<p>市販食品においてサンプル中の微生物濃度は一般に対数正規分布に従うとこれまで仮定されてきたが,この分布は濃度がゼロに対しては対応できない.本研究では第一に,対象微生物濃度が低い(あるいはゼロ)の市販食品について,最確数法による確率論的な検討を行なった.すなわち,定性的微生物試験によって得た全サンプル中の対象病原菌が存在するサンプル数から,その微生物濃度を最確数法によって推定した.また,この最確数法に関してサンプル量と全サンプル数の与える影響を解析した.第二に,製品中の対象微生物濃度がポアソン分布に従うという仮定の基に,製品中の微生物濃度に対する検査特性(OC)曲線を作成した.さらに,乳幼児用粉ミルクにおけるSalmonellaCronobacter sakazakiiについても同様にOC曲線を作成できた.これらの結果から最確数法およびポアソン分布は対象微生物の濃度が低い場合,定性的微生物試験の解析に有効であろうと示唆された.</p>

収録刊行物

  • 食品衛生学雑誌

    食品衛生学雑誌 58 (4), 173-179, 2017-08-25

    公益社団法人 日本食品衛生学会

被引用文献 (1)*注記

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参考文献 (9)*注記

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