越後平野北部の沿岸湖沼の珪藻化石群集と環境変遷史

書誌事項

タイトル別名
  • Holocene diatom floras and environmental changes of lagoon-lake deposits in the northern Echigo Plain, central Japan
  • エチゴ ヘイヤ ホクブ ノ エンガン コショウ ノ ケイソウ カセキ グンシュウ ト カンキョウ ヘンセンシ

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抄録

越後平野北部の福島潟地域において1本のボーリングコアの詳細な珪藻分析を実施し,紫雲寺潟地域における安井ほか(2002)の結果を含めて,北蒲原潟の珪藻化石群集の特徴と完新世の環境変遷を明らかにした.紫雲寺潟地域および福島潟地域は北蒲原潟の奥部および潮流口部に位置する.両地域の珪藻化石群集は,数種の浮遊生種の消長と交替で特徴づけられる.福島潟地域の珪藻化石群集はAulacoseira granulataの繁茂とCyclotella caspiaによる急激な交替,および浮源生種の低率な群集が繰り返し出現することが特徴的である.これらの変化の要因はそれぞれ,潮流口の縮小や閉鎖による表層水の淡水化・止水化,表層海水の潟内への急激な流入,河川水の流入による表層水の不安定化や水域の縮小による浅化と考えられる.北蒲原潟は約8,000 yrs BPに汽水湖沼化し,約5,000 yrs BPには淡水化が進行し,約3,000 yrs BPになると紫雲寺潟地域から福島潟地域に至る一連の北蒲原潟は消滅した.この経緯の中で約6,500 yrs BP,約6,000〜約5,000 yrs BP,約3,500 yrs BPの3回にわたって表層海水が進入した.

収録刊行物

  • 地球科学

    地球科学 61 (1), 49-62, 2007

    地学団体研究会

被引用文献 (2)*注記

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参考文献 (47)*注記

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