添田花崗閃緑岩中の同時性貫入岩の産状と化学組成

書誌事項

タイトル別名
  • Field occurrence and chemical composition of synplutonic intrusive rocks in the Soeda Granodiorite, northern Kyushu, Southwest Japan
  • ソエダ ハナオカセンリョクガン チュウ ノ ドウジセイカンニュウガン ノ サンジョウ ト カガク ソセイ

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抄録

この論文では,北部九州白亜紀花崗岩質岩である添田花崗閃緑岩中に見出した同時性貫入岩の産状と化学組成を報告する.同時性貫入岩は,細粒トーナル岩と細粒石英閃緑岩からなる.添田花崗閃緑岩の主岩相あるいは普通角閃石斑状岩相中にパイプ状岩体あるいは岩脈状岩体として産し,添田花崗閃緑岩およびその優白質岩相に注入あるいは分断されている.さらに,同時性貫入岩は,急冷縁と急冷によって生じた鉱物組織を持つ.産状ならびに岩石組織の解析から,添田花崗閃緑岩と石英閃緑岩および細粒トーナル岩は,マグマ同士で共存し,トーナル岩マグマ,石英閃緑岩マグマの順に添田花崗閃緑岩マグマに貫入したと考えられる.全岩化学組成の検討の結果,添田花崗閃緑岩と同時性貫入岩は,多様な程度に分化した苦鉄質〜中性岩マグマがマグマ溜まりに貫入した後,分化やマグマ混合によって生じたと考えられる.本研究で明らかとなった添田花崗閃緑岩中の同時性貫入岩の存在は,北部九州における白亜紀花崗岩質マグマと同時に活動した苦鉄質〜中性岩マグマの広域性を示唆する.

収録刊行物

  • 地球科学

    地球科学 67 (1), 21-36, 2013

    地学団体研究会

被引用文献 (5)*注記

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参考文献 (27)*注記

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