茨城県南東部の更新統で確認された液状化-側方流動の痕跡と小断層群の形成

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タイトル別名
  • Liquefaction-lateral flow features and minor faults in Pleistocene in the southeastern area of Ibaraki Prefecture, Japan
  • イバラキケン ナントウブ ノ コウシントウ デ カクニン サレタ エキジョウカ ソクホウ リュウドウ ノ コンセキ ト ショウダンソウグン ノ ケイセイ

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抄録

茨城県南東部に分布する中・上部更新統から規模の大きい地震の痕跡を示す露頭が見出された.本露頭下部の中部更新統には液状化・側方流動(層厚2m)の痕跡がみられ,これをおおう非液状化層(層厚8m以上)は正断層群を伴って破壊されている.これらの正断層の下限はすべて液状化層で消滅し,断層面にそって液状化物質の貫入構造がみられることから,液状化と正断層群はセットで起こったことがわかる.また,液状化層の「基盤」上面には落差1mほどの傾斜部があり,これにそって側方流動した痕跡が認められる.一方,本露頭の周辺地域では,上部更新統に未固結堆積物変形構造が広くみられる.これらの変形の起源はおおよそ12万年前に発生した地震と考えられるが,上記の液状化-正断層群の形成もこの地震による可能性が高い.すなわち,おおよそ12万年前の地震により,旧地表面から推定深度10〜12mにある20数万年前の地層が液状化し,特に側方流動の発生が大きな要因となり上位層が正断層を伴って破壊したと考えられる.

収録刊行物

  • 地球科学

    地球科学 64 (4), 149-158, 2010

    地学団体研究会

参考文献 (32)*注記

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