能登半島地震と角間2号井戸の地下水について(<特集>2007年能登半島地震 その1)

書誌事項

タイトル別名
  • The Noto Hanto Earthquake in 2007 gave the effect on groundwater in Kakuma-No.2-well at Kanazawa University(<Special Issue>The Noto Hanto Earthquake in 2007 (Part1))
  • 能登半島地震と角間2号井戸の地下水について
  • ノト ハントウ ジシン ト カクマ 2ゴウ イド ノ チカスイ ニ ツイテ

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抄録

金沢大学角間2号井戸(深度150m,取水区間深度62〜73m,同78.5〜95m,同106〜138m)では,これまで地下水位・地下水温・電気伝導度の自動観測を行っており, 2007年3月25日に発生した能登半島地震前後における10分間隔の詳細な経時変動データを取得することができた.地下水位は,揚水ポンプの停止時に深度31m,稼動時には深度39m程度の値を示した.電気伝導度は,ポンプの停止時に18.2mS/m,稼動時には18.7mS/mの値を示した.季節変動として,夏〜秋にわずかに高く,冬〜春にかけて低くなる現象が見られている.地下水位および電気伝導度については,地震の前後で異常な水位変動は見られなかった.地下水温は,地震時直近のポンプの停止時に12.3℃,稼動時に12.6℃の値を示した.通常地下水温は夏に低く,冬に高い傾向が見られているが,能登半島地震の前約2週間の間,地下水温が約0.5℃高い傾向が継続する現象が見られた.この傾向はポンプの稼動・停止や,気温,通年の季節変動傾向などとは異なるパターンの変動であった.今後は,より震央に近い地域における地下水位・水温・水質の観測記録との照合や,余震にともなう変化の観察などの再検証が必要であるものと考える.

収録刊行物

  • 地球科学

    地球科学 61 (4), 293-300, 2007

    地学団体研究会

被引用文献 (2)*注記

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参考文献 (8)*注記

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