生後6か月以内発症の調節性内斜視

書誌事項

タイトル別名
  • Accommodative Esotropia With Onset Within Six Months After Birth

この論文をさがす

抄録

【目的】生後6か月以内発症で、調節性内斜視として経過観察した4症例を報告する。<BR>【対象及び方法】1995年1月~2009年10月までに自治医科大学眼科弱視斜視外来を受診し、3年以上経過観察でき、内斜視の発症が生後6か月以内と確認できた87例のうち、アトロピンによる調節麻痺下屈折検査に基づく完全屈折矯正眼鏡装用下で眼位が正位となった4例(4.8%)を対象に経過を検討した。<BR>【結果】内斜視の推定発症時期は生後2か月~4か月、初診時年齢は1歳5か月~4歳2か月であった。初回調節麻痺下屈折値は等価球面換算で、平均+3.72D(+2.75D~+4.63D)であった。2例は調節性内斜視として良好な眼位が維持されたが、1例は片眼の弱視を伴い固視は不安定で、1例は初診から4か月後に交代性上斜位が検出された。全症例で大型弱視鏡での同時視が確認され、弱視を伴った1例を除き融像を認めたが、Titmus Stereo Testで立体視を認めたものは2例であった。<BR>【結論】生後6か月以内発症の内斜視の中に稀ではあるが調節性内斜視があり、内斜視の発症時期を確認し、適切な治療を行って眼位を矯正することは良好な両眼視機能獲得につながるものと考えられる。

収録刊行物

参考文献 (7)*注記

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ