前眼部三次元光干渉断層計による水晶体の偏心と傾斜に関する測定値の再現性

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  • Repeatability of Measurements of Crystalline Lens Decentration and Tilt by Anterior Segment Optical Coherence Tomography

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<p>【目的】前眼部三次元光干渉断層計(AS-OCT)による水晶体の偏心と傾斜に関する測定値の再現性の検討。</p><p>【対象及び方法】対象は正常者10例20眼、平均年齢29.8±11.5歳。AS-OCTにて検者2名が各眼3回測定し、水晶体形態解析による偏心と傾斜量について2検者の測定値の相関とBland-Altman Plot(B-A)による比較を行い、検者内及び検者間の級内相関係数(ICC)を求めた。また2検者による左右眼別のベクトル量の分布を求め、それぞれの平均値を比較した。方向については、検者間のSpearman順位相関係数を求めた。</p><p>【結果】2検者による測定値の平均±標準偏差は、偏心量は2検者ともに右眼0.23±0.02mm、左眼0.24±0.02mmで、傾斜量は検者A、Bの順に右眼3.8±0.24°、3.8±0.21°、左眼4.1±0.24°、4.2±0.25°でいずれも有意差は無く(p>0.05)、B-Aによる2検者の平均値の差は、偏心量は両眼とも0.01mm未満、傾斜量は両眼とも0.1°未満で95%信頼区間は偏心量が両眼とも±0.1mm未満、傾斜量は両眼とも±0.5°未満であった。検者内及び検者間ICCは、両眼ともに0.9以上であった。左右眼別のベクトル量の平均値は、偏心、傾斜とも2検者による有意差は無かった(p>0.05)。方向の検者間相関係数は、偏心が右眼r=0.94、左眼r=0.99、傾斜は右眼r=0.99、左眼r=0.86で、検者間の最大差は偏心22°傾斜10°であった。</p><p>【結論】若年正常眼におけるAS-OCTを用いた水晶体の偏心と傾斜の測定値の再現性は高く、臨床での利用に十分有用であると思われた。</p>

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