実用視力検査による弱視治療眼の視機能の検討

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  • Functional Visual Acuity of treated amblyopia

抄録

<p>【目的】弱視治療の効果は視力検査により判定されるが、近年、通常の視力検査以外の方法で弱視眼の視覚の質(以下QOV)を検討した報告が散見される。実用視力検査は視力を連続的に測定することで視機能を評価するもので、QOVの一側面を評価するのに有用である。本研究では、弱視治療により良好な視力が得られた片眼弱視症例に対して実用視力検査を行い、弱視治療眼と僚眼との結果を比較検討した。</p><p>【対象及び方法】弱視治療により僚眼と同視力まで改善が見られた片眼弱視16症例(男児4例、女児12例、平均年齢7.5 ± 2.3歳)を対象とした。実用視力計(FVA-100 NIDEK)を用いて遠見矯正下で実用視力検査を行い、実用視力、視力維持率、標準偏差、最高視力、最低視力、平均応答時間について比較検討した。</p><p>【結果】実用視力と視力維持率は僚眼に比べて弱視治療眼の方が有意に悪かった(p< 0.001)。標準偏差は健眼に比べて弱視治療眼の方が大きかった(p < 0.001)。最高視力、最低視力は僚眼より弱視治療眼の方が有意に悪かった(p < 0.005)。平均応答時間には有意差を認めなかった。</p><p>【結論】通常の視力検査で弱視治療が奏功したと判断される症例においても、弱視治療眼の実用視力や視力維持率は僚眼よりも低く、QOVの観点からは同等の視機能まで改善していない可能性が示唆された。</p>

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