V型からA型に移行した恒常性外斜視の1症例

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タイトル別名
  • A case of constant exotropia with "V" pattern converted to "A" pattern

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説明

目的:V型恒常性外斜視に対し水平筋の短縮後転手術を行ない、手術から5年後、A型外斜視に移行した1例を経験したので報告する。<BR>症例:初診時11ヵ月の女児。50△恒常性外斜視、屈折は軽度の遠視、固視交代は可能で、輻湊は確認できなかった。輻湊訓練で経過をみたが、改善しないため半年後プリズム眼鏡による光学的矯正を開始した。2歳8ヵ月時に大型弱視鏡での他覚的斜視角測定で、V型外斜視が検出された。経過観察中に明らかな眼球運動障害はなく上下筋の遅動もしくは過動はなかったが、大型弱視鏡の他覚的斜視角の測定においてわずかな上下ずれが検出された。その後、大型弱視鏡による両眼視機能訓練を行ないV型が改善したが、斜視角に大きな変化はなく4歳4ヵ月時に右眼外直筋後転8mm、内直筋短縮6mmを施行した。残余斜視角に対しプリズム眼鏡で矯正し、輻湊訓練等両眼視機能訓練を行なった。手術から3年6ヵ月後に交代性上斜位が検出された。術後5年2ヵ月の時点でA型外斜視に移行した。<BR>結論:A-V傾向を示す斜視において、第2および3眼位の長期的な経過観察は重要であると考えられた。

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参考文献 (12)*注記

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