ダイズ根粒菌ノッドファクターを受容するダイズnfr遺伝子LysM領域の多様性解析及びLysM領域と根粒着生数の関連性について

書誌事項

タイトル別名
  • Analysis of genetic diversity of LysM domains in GmNFR5a genes : Perception of Nod factors produced by soybean bradyrhizobia and role of LysM domains in competitive root nodulation between B. japonicum and B. elkanii
  • ダイズ コンリュウキン ノッド ファクター オ ジュヨウ スル ダイズ nfr イデンシ LysM リョウイキ ノ タヨウセイ カイセキ オヨビ LysM リョウイキ ト コンリュウ チャクセイスウ ノ カンレンセイ ニ ツイテ

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抄録

日本・中国・韓国に分布する野生ダイズと栽培ダイズの39サンプルを用い,ダイズ根粒菌ノッドファクター受容体遺伝子NFR5aのLysM領域の多様性を解析すると共に,野生ダイズと栽培ダイズに優占的に保存されていたエンレイ型LysM領域と根粒着生数の関連性を調べた。1)LysM領域の塩基配列に基づく分子系統樹は,野生ダイズによる3個の単集合と1つの優占クラスターを出現させた。優占クラスターには試験した23種の全ての栽培品種と,13系統の野生ダイズが含まれ,このLysM領域が現在の栽培品種等に広く分布している可能性が示唆された。また,推定アミノ酸配列に基づく系統樹から,長野県産野生ダイズに,LysM領域が明瞭に異なるものが見いだされた。エンレイのLysM領域と全く同じアミノ酸配列を有するダイズ種は14サンプル(36%)であった。2)B. japonicum USDA110株とB. elkanii USDA76株の同じ細胞数をエンレイに接種した場合,無処理区やゲニステインで両株の根粒形成遺伝子発現を人為的に高めた場合は,両菌株間の根粒着生数に有意差はなかった。しかし,B. japonicum USDA110の根粒形成遺伝子発現を高め,逆に,B. elkanii USDA76株の根粒形成遺伝子発現を抑制するプルネチンを菌接種と同時に添加した場合,B. japonicum USDA110株とB. elkanii USDA76株間の根粒着生数に有意差が生じ,B. japonicumやB. elkaniiのノッドファクターの生産量とエンレイ型LysM領域の受容応答には根粒着生数に関して正の相関がある可能性が示唆された。

収録刊行物

  • 土と微生物

    土と微生物 63 (1), 9-17, 2009

    日本土壌微生物学会

参考文献 (24)*注記

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