有機養液土耕における有機物分解

書誌事項

タイトル別名
  • Decomposition of organic materials in the process of organic fertigation
  • ユウキ ヨウエキ ドコウ ニ オケル ユウキブツ ブンカイ

この論文をさがす

抄録

コーンスターチ製造過程から生じる副産物,コーンスティープリカー(CSL)は,N, P_2O_5, K_2Oをそれぞれ約3%含んでいる。我々は,CSLを唯一の肥料源とした養液土耕栽培を行い,栽培条件下での土壌微生物数を測定した。CSLを点滴で与えた部分の好気性土壌微生物数は,無機化学肥料を用いた従来の養液土耕栽培の点滴部分の10倍に増えていた。有機物の分解に関する酵素活性(プロテアーゼ,β-グルコシダーゼ,α-グルコシダーゼ,ホスファターゼ)は,無機液肥の点滴部分の活性に比べ,有機液肥の点滴部分で高かった。これらのCSLの添加による微生物と土壌酵素の活性の増加は,CSLの速やかな分解と無機化につながったと考えられた。有機養液土耕におけるトマトの生育が,基肥区や無機養液土耕区と同等だったことからも,これらの無機化プロセスがトマトの養分要求に見合う程度に充分働いていたと考えられた。

収録刊行物

  • 土と微生物

    土と微生物 55 (1), 21-27, 2001

    日本土壌微生物学会

被引用文献 (2)*注記

もっと見る

参考文献 (23)*注記

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ