1,3-ジクロロプロペン,クロルピクリン及び太陽熱による土壌消毒がセルロース分解能及び硝化菌に及ぼす影響

  • 和田 さと子
    東京農工大学大学院生物システム応用科学教育部
  • 藤野 智絵
    東京農工大学大学院生物システム応用科学教育部:(現)北海道大学大学院農学院
  • 豊田 剛己
    東京農工大学大学院生物システム応用科学教育部
  • 岡本 保
    神奈川県農業総合研究所三浦半島地区事務所

書誌事項

タイトル別名
  • Effect of soil disinfection with 1,3-dichloropropene, chloropicrin and solarization on cellulose-decomposing ability and nitrifying bacteria
  • 1 3 ジクロロプロペン クロルピクリン オヨビ タイヨウネツ ニ ヨル ドジョウ ショウドク ガ セルロース ブンカイノウ オヨビ ショウカキン ニ オヨボス エイキョウ

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抄録

2003年には,多腐植質黒ボク土圃場を用いて1,3-ジクロロプロペン,クロルピクリン及び太陽熱による土壌消毒を行ったところ,土壌中のグルコース分解能,及びアンモニア酸化菌数は,消毒後数週間は抑制された後,その影響は見られなくなった。2004年には,多腐植質黒ボク土と淡色黒ボク土の両圃場を用い,前年と同じ土壌消毒がセルロース分解能,微生物群集構造及びアンモニア酸化菌数に及ぼす影響を評価した。多腐植質黒ボク土のセルロース分解能は,時間と共にコントロール区の分解能に近づき消毒後10〜12週間に,群集構造は17週間で回復した。淡色黒ボク土のセルロース分解能では,土壌消毒による影響からの回復に多腐植質黒ボク土よりも時間を要した場合もあったが,収穫期には無処理区と同等まで回復した。2005年には,過去2年間の結果を受け,淡色黒ボク土のセルロース分解能に対する影響を,消毒後堆肥施用の有無の2種類の圃場処理区を用いて比較したところ,どちらの圃場処理区でも消毒によって影響を受けたセルロース分解能は試験期間中に回復した。したがって,土壌消毒は有機物分解能や硝化菌数といった土壌生物機能を一時的に低下させるものの,その抑制的影響は1作期間中にほぼ回復することが分った。

収録刊行物

  • 土と微生物

    土と微生物 62 (1), 21-31, 2008

    日本土壌微生物学会

被引用文献 (3)*注記

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参考文献 (23)*注記

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