草地における土壌バイオマスとその窒素の代謝回転速度

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タイトル別名
  • Soil Biomass and Turnover Rate of Its Nitrogen in Grassland

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説明

草地生態系における土壌バイオマスの役割を定量的に評価するために,微生物バイオマスの分布と季節変動及び土壌バイオマス窒素の代謝回転速度を把握することを試みた。1)草地全体の微生物バイオマスは乾物重として72〜135gm^<-2> 20cm^<-1>で推移し,そのうちの1/3は深さ0〜3cmのルートマット層の土壌に存在していた。2)土壌バイオマス窒素を定量するためのくん蒸・培養法は,ルートマット以下の土壌には適用できなかったが,ルートマット層には応用でき,Bc=8.8Fn及びBn=1.8Fnという関係式を得た(Bc, Fn:直接法で推定した土壌バイオマス炭素量及び窒素量, Fn:くん蒸・培養により余分に無機化される窒素量)。3)重窒素硫酸アンモニウムをグルコースと共に添加して標識した土壌バイオマス窒素は漸減し,その半減期は1.25年であった。そして,その代謝回転速度は0.55年^<-1>と推定された。一方,厚さ2.5cmのルートマットには年平均40kg ha^<-1>の土壌バイオマス窒素が存在していた。従って,年間22kg ha^<-1>の窒素がこの層の土壌バイオマスを経由して放出されたと推定された。この量は,牧草が土壌から吸収した窒素量の約20%に相当していた。

収録刊行物

  • 土と微生物

    土と微生物 29 (0), 39-47, 1987

    日本土壌微生物学会

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390282679231096704
  • NII論文ID
    110009467603
  • DOI
    10.18946/jssm.29.0_39
  • ISSN
    21896518
    09122184
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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