中期中新世のカシパンウニ化石Echinarachniusに見られるトウカムリ科巻貝による捕食痕

書誌事項

タイトル別名
  • Boreholes in the middle Miocene Echinarachnius (Clypeasteroid Echinoid) from Japan and their implications for cassid gastropods drilling
  • チュウキ チュウシンセイ ノ カシパンウニ カセキ Echinarachnius ニ ミラレル トウカムリカ マキガイ ニ ヨル ホショクコン

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抄録

石川県加賀市の大聖寺層から産出したEchinarachnius microthyroidesに見られる捕食痕について研究した.捕食痕は産出した241個体中120個体から見つかった.捕食痕率はカシパンウニの大きさにより大きく異なり,長さ28mm以下の個体では22.0%であるのに対して長さ28mm以上の個体では69.5%であった.円筒型で2〜3mmの修繕跡のない小さな径を持ち,酸によるエッチングが見られ,複数の穴が開けられている個体は6.7%とまれであることからLiracassis japonicaのように殻高数cmのトウカムリ科巻貝による捕食痕と考えられる.ほとんどの捕食痕は完全で,反口側に開けられていることから,捕食者はカシパンウニの上部(反口側)から襲いかかったものと推定される.Echinarachnius microthyroidesはトウカムリ科巻貝により捕食され,波の影響により浅い海に集積したと考えられる.

収録刊行物

  • 地球科学

    地球科学 58 (5), 295-304, 2004

    地学団体研究会

参考文献 (33)*注記

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