北海道中央部石狩低地帯東縁地域の上部更新統層序と古環境変遷

書誌事項

タイトル別名
  • Stratigraphy and paleoenvironmental changes of the Upper Pleistocene in the eastern end area of the Ishikari Low Land, Hokkaido, Japan
  • ホッカイドウ チュウオウブ イシカリ テイチタイ トウエン チイキ ノ ジョウブ コウシントウソウ ジョ ト コ カンキョウ ヘンセン

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説明

北海道中央部石狩低地帯東縁に分布する更新統の角田層と茂世丑層の再定義をおこなって,角田層堆積期間は120〜45Ka(酸素同位体ステージ5e〜3),茂世丑層堆積期間は42-40Ka頃(酸素同位体ステージ3)であることを示した.また,この地域の環境変遷を以下のように整理した.東千歳層堆積期(130〜120Ka)太平洋に注ぐ"古夕張川"により扇状地が形成され,湿原の形成が開始した.角田層堆積期(120〜45Ka)温暖化にともない湿原は拡大したが,大量のテフラの降灰による埋め立てなどにより50kaごろに南部が陸化し,45ka頃にはほぼ全域が陸化した.茂世丑層堆積期(42-40Ka)42-40Kaに起こったSpflの流出により,それまで太平洋に流入していた"古石狩川"は,Spfl堆積域の北部側でせき止められた.その結果,茂世丑低地帯は現在の標高60m前後にまで水位が上昇し,周囲に多量にあった軽石を混じえた泥質な堆積物が堆積した.この"古石狩川ダム湖"や後背湿地は江別市野幌付近にも広がった.やがて,札幌方向に流路が切り開かれ,Spfal等に由来する多くの軽石礫を伴う河川成堆積物が一気に札幌方面にもたらされて,石狩川は日本海に注ぎ始めた.由仁安平低地帯の由仁町以南にはダム湖が広がらず,多くの火山灰古砂丘が形成された.

収録刊行物

  • 地球科学

    地球科学 56 (5), 253-268, 2002

    地学団体研究会

被引用文献 (3)*注記

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参考文献 (47)*注記

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