中央北海道,砂川低地帯南東地域の更新統

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タイトル別名
  • Pleistocene in the southeastern area of Sunagawa Lowland, Central Hokkaido, Japan
  • チュウオウ ホッカイドウ スナガワ テイチタイ ナントウ チイキ ノ コウシントウ

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抄録

中央北海道西縁部の砂川低地帯南東地域の美唄市光珠内地区と栗沢町栗沢地区の更新統について検討した.その結果,光珠内地区には粘土層・シルト層を主とし,砂礫層,泥炭層,火山灰などを伴う間の沢川層・光珠内層・東山層が分布する.花粉化石・植物遺体・火山灰の鑑定,14C年代の測定を行った結果,間の沢川層は前期〜中期更新世,光珠内層は中期更新世,東山層は後期更新世の堆積物である.間の沢川層堆積時はトウヒ属林,ツガ属林からなる冷涼な環境,光珠内層下部層堆積時はトウヒ属林,オニグルミーコナラ属林からなる温暖〜冷涼な環境,光珠内層上部層堆積時はカラマツ属の優勢な寒冷な環境(氷期),東山層堆積時はトウヒ属-モミ属林からなる冷涼な環境(最終氷期前期)であった.東山層基底にはToyaが確認された.栗沢地区の茂世丑層堆積時はトウヒ属-モミ属林が発達し,14C年代(44,980 y.B.P.)とSpfa1の存在から,その堆積年代はほぼ45,000年前〜約40,000年頃である.光珠内地区の第四系の堆積環境の復元から,間の沢川層堆積時は石狩川の氾濫原東縁にあったものの,その後の東側山地の隆起運動を伴って光珠内層堆積時には東側山地からの砕屑物の供給を受ける環境になり,さらに,東山層堆積直前に東側の隆起量が増したために間の沢川層・光珠内層の削剥とこれらに由来する礫と東側山地からの砕屑物の供給量も増えた.このことは更新世を通して東側山地の隆起運動が断続的に継続したことを示している.

収録刊行物

  • 地球科学

    地球科学 55 (6), 339-356, 2001

    地学団体研究会

被引用文献 (2)*注記

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参考文献 (41)*注記

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