治療薬シリーズ(17)抗ウイルス薬  2)抗HIV薬の臨床

  • 潟永 博之
    国立国際医療センター エイズ治療・研究開発センター

書誌事項

タイトル別名
  • Clinical use of anti-HIV agents
  • 抗HIV薬の臨床
  • コウHIVヤク ノ リンショウ

この論文をさがす

抄録

現在の抗HIV療法は,カクテル療法と言われるように3剤以上の多剤併用で行うことが基本である.国内で承認されている抗HIV薬は,その作用機序から,逆転写酵素阻害薬とプロテアーゼ阻害薬に分類され,逆転写酵素阻害薬は更に,核酸系と非核酸系とに分かれる.一般的には,非核酸系逆転写酵素阻害薬か,または,プロテアーゼ阻害薬をキードラッグとして,それに,2剤の核酸系逆転写酵素阻害薬を組み合わせて投与する.それぞれの薬剤の作用機序,特性,副作用を認識し,相互作用を考慮しつつ,組み合わせて投与することとなる.副作用は,同じ作用機序の薬剤に一般的に見られるものと,薬剤特異的なものがあり,注意が必要である.既に承認されている抗HIV薬の組み合わせのみではコントロール不良な多剤耐性HIVを持つ症例もあり,侵入阻害薬やインテグラーゼ阻害薬などの海外承認薬の国内早期承認,新規薬剤の開発が強く望まれている.<br>

収録刊行物

  • 日本薬理学雑誌

    日本薬理学雑誌 130 (2), 152-156, 2007

    公益社団法人 日本薬理学会

被引用文献 (1)*注記

もっと見る

参考文献 (15)*注記

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ