チャ育種における煎茶品質の選抜法試験

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タイトル別名
  • Selection Method of Quality in Green Tea Plant Breeding
  • チャ イクシュ ニ オケル センチャ ヒンシツ ノ センバツホウ シケン

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抄録

チャ育種における品質の選抜法を検討し,簡易・確実で育種過程の早い時期に実施できる方法を見出そうとして以下の結果を得た。<BR>(1) 審査に先立ち,審査員の適性テストを行い当場研究員9名の中から判別能力(再現性)とし好の一般性(9人平均値との合致度)について成績良好の3名を選んだ。以下の審査はこの3名によった。<BR>(2) 審査方法は,一般に実施されている合議制審査より、個人審査の平均値をとる方が精度が高いことを確めた。<BR>(3) 出開度の異なる5品種について,それぞれ蒸しと粗揉時間をかえて製造を行い,品種間差を検定するための適正製造条件は蒸し45秒・粗揉15分程度であること,品種間差異に比べ,蒸し・粗揉が品質におよぼす影響は小さいこと,製茶で誤差を生じる最大の原因は乾燥時の温度変動に基づくことを確認し,以後電気定温乾燥器を使用することで誤差を小さく制御できた。<BR>(4) 茶の品質評価は香気・味のような不可視形質と形状・色沢・水色・から色等の可視形質からなっている。<BR>内外60品種の品質調査を行った結果,可視形質は年度や製造・審査の反復による誤差が小さく可視形質のそれぞれと茶の品質(香気・味)とは高い相関を示し,2ヵ年平均値でみると色沢・水色・から色の評価の和と香気・味の評点の和との相関係数はr=0.9程度となり,可視形質を調査するだけで茶の内質を判定できることを確かめた。<BR>(5) ほ場における新芽の色の観察評価と品質との相関はr=0.6程度で,新芽を調査するだけでもおおよその品質判定ができる見通しを得た。

収録刊行物

  • 茶業研究報告

    茶業研究報告 1979 (49), 1-10, 1979-06-30

    Japanese Society of Tea Science and Technology

参考文献 (1)*注記

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