茶の公定分析法の改良(第3報)

書誌事項

タイトル別名
  • Improvement of Official Chemical Analysis of Tea (Part 3)
  • Examination of Tannin Determination
  • タンニン定量法の検討

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説明

茶タンニン定量法を検討する目的で,Lwenthal法と酒石酸鉄比色法によって茶のタンニンを分析した結果,Lowenthal法の定量値は個人差が非常に大きく,分析精度も劣ることがわかった。酒石酸鉄比色法の誤差はLowenthal法の1/2~1/3であり,この方法を茶タンニン定量の公定法とすることにした。<BR>分析者9人の定量値から,酒石酸鉄比色法の分析精度はC.V.1.52%,分析者1人が1回分析したときの定量値に伴う誤差はC,V.5.42%,分析者1人が2回分析したときの平均値に伴う誤差はC.V.5.31%と計算された。<BR>酒石酸鉄比色法の茶タンニン検量線に,(-)-エピカテキンガレートのものを使用すれば,茶葉または緑茶のカテキン量に近い値を示すことがわかった。(-)-エピカテキンガレートは入手困難であるから,検量線の作成は没食子酸エチルで代用した。この場合,没食子酸エチル1mgの呈する吸光度は,(-)-エピカテキンガレート1.5mgの呈する吸光度に等しいので,没食子酸エチルmg数を1.5倍して検量線を作成することによって,実際のカテキン量に近い値が得られた。<BR>比色法で使用するリン酸緩衝液の濃度によって,吸光度が変わるため,緩衝液のリン酸濃度は一定に保たなければならないことがわかった。<BR>この試験においては,紅茶タンニンについて検討しなかったので,この報文の結果は紅茶タンニンの定量には適用できない。

収録刊行物

  • 茶業研究報告

    茶業研究報告 1970 (33), 69-73, 1970-03-31

    Japanese Society of Tea Science and Technology

被引用文献 (1)*注記

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参考文献 (2)*注記

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