スピンースピン緩和のガウス展開による天然ゴムの素練りの解析

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  • Gaussian Expansion of Spin-spin Relaxation for Mastication of Natural Rubber

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天然ゴム(NR)の素練りによる構造変化をパルス法NMRによるプロトンのスピンースピン緩和によって解析した。従来のスピン-スピン緩和の解析では,成分ごとにスピン-スピン緩和時間T2とその分率F,ワイブル係数W(1≦W≦2)が得られるが,解析の客観性とWの解釈に問題を抱えている。そこで,スピン-スピン緩和の減衰曲線M(t)を,ガウス型の減衰(W=2)の重ね合わせとみなし,計算プログラムによって緩和スペクトルを求めることを検討した。得られた緩和スペクトルから再構成したM(t)と,実測のM(t)の一致は良好であり,作成した計算プログラムの妥当性が示された。素練りにともなう緩和スペクトルの変化から,素練りによって末端鎖と緩やかな絡み合いが増加し,分子運動が活発になることが明らかとなった。本研究で検討した新規手法によって,スピン-スピン緩和の解析におけるあいまいさが解消され,従来手法との併用によって,さらに多くの情報を得ることができると考えられる。

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