5-選択反応時間課題(5-choice serial reaction time task)/3-選択反応時間課題(3-choice serial reaction time task)による注意機能・衝動性の評価

  • 大村 優
    北海道大学 大学院 医学研究科 神経薬理学分野
  • 木村 生
    北海道大学 大学院 医学研究科 神経薬理学分野
  • 吉岡 充弘
    北海道大学 大学院 医学研究科 神経薬理学分野

書誌事項

タイトル別名
  • Assessment of attentional function and impulsivity using 5-choice serial reaction time task/3-choice serial reaction time task
  • 実験技術 5-選択反応時間課題(5-choice serial reaction time task)/3-選択反応時間課題(3-choice serial reaction time task)による注意機能・衝動性の評価
  • ジッケン ギジュツ 5 センタク ハンノウ ジカン カダイ 5 choice serial reaction time task 3 センタク ハンノウ ジカン カダイ 3 choice serial reaction time task ニ ヨル チュウイ キノウ ショウドウセイ ノ ヒョウカ

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説明

動物実験において注意機能・衝動性を定量的に評価することは,注意欠如多動性障害,統合失調症,薬物依存,境界性人格障害など様々な精神疾患の治療薬開発に役立つ.特に衝動性の評価・治療薬開発はいわゆる「キレる」人間の増加,自殺の増加という現代社会の様相を踏まえると社会的要求の高い問題である.本稿では,注意機能・衝動性を適切かつ同時に測定できる評価系として,5-選択反応時間課題(5-choice serial reaction time task)とその簡略版である3-選択反応時間課題(3-choice serial reaction time task)を紹介する.著者らはこれらの課題を用いて,コルチコトロピン遊離因子が注意機能を高めること,ニコチンが衝動性を高めることなどを報告してきた.しかし,5-選択反応時間課題はその有用性にも関わらず日本ではほとんど用いられていない.その主な原因は,この課題の手順が複雑で理解し難いこと,そして動物の訓練に時間がかかることにあると考えられる.本稿の主要な目的は2つある.一つは5-選択反応時間課題の複雑な手順を可能な限り分かりやすく解説すること,そしてもう一つは訓練時間を短縮するために著者らが開発した3-選択反応時間課題を紹介することである.本稿によりこれらの課題が日本でも広く用いられるようになり,上述の治療薬開発に少しでも貢献できれば幸いである.<br>

収録刊行物

  • 日本薬理学雑誌

    日本薬理学雑誌 134 (3), 137-141, 2009

    公益社団法人 日本薬理学会

被引用文献 (2)*注記

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参考文献 (26)*注記

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