The role of protein phosphatase 2A in inflammation and cancer

Bibliographic Information

Other Title
  • 炎症・がんにおけるタンパク質脱リン酸化酵素PP2Aの役割
  • エンショウ ・ ガン ニ オケル タンパクシツ ダツリンサンカ コウソ PP2A ノ ヤクワリ

Search this article

Description

<p>古くから慢性炎症とがんの間には密接な関係があることが知られている.近年,その詳細な分子機構についても研究が進展し,炎症反応と発がん・がんの悪性化には共通の細胞内シグナルが関与して,複雑に相互作用していることが明らかになり,両者に共通の因子を標的にする抗がん戦略が考えられるようになった.我々は,炎症とがんの双方で重要な抑制因子として働くprotein phosphatase 2A(PP2A)に注目している.PP2Aは,細胞内の主要なセリン/スレオニン脱リン酸化酵素であり,多様なシグナル伝達を調節している.PP2AにはI1PP2A(ANP32A),ENSA,Arpp19,CIP2A,PME-1,SET/I2PP2A等のPP2A阻害タンパク質が存在し,ほとんどのがんにおいてPP2A阻害タンパク質の発現上昇によるPP2A活性の低下が認められる.PP2A阻害タンパク質の中でもSET/I2PP2Aは,炎症反応を増強する役割が報告されている.当シンポジウムにおいて我々は,炎症反応依存的な胃がん自然発症マウスGanマウスにおいてSET発現が上昇すること,ヒト胃がん患者においてSET発現の上昇が予後の悪さと相関関係を示すこと,SET標的薬が胃がん細胞株に対して抗がん効果を示すこと等を報告した.本稿では,これまでに報告されている慢性炎症とがんの関係およびその分子機構,両者の抑制因子としてのPP2Aとその阻害タンパク質であるSETについて,最新の知見と共に紹介したい.</p>

Journal

References(52)*help

See more

Details 詳細情報について

Report a problem

Back to top