芳香族ジアミン類から誘導される新規二官能性ベンゾオキサジンの合成と特性

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タイトル別名
  • Synthesis and Properties of Novel Bi-functional Benzoxazines Derived from Aromatic Diamines

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説明

ベンゾオキサジンは, 熱により開環重合反応が進行し, 反応により得られる硬化物は, 高耐熱性,高ガラス転移温度等の優れた特性を有する材料であることが報告されている。本研究では, 芳香族ジアミンを原料とする新規な二官能性ベンゾオキサジンを合成し, その基本特性について検討を行った。これらの樹脂は,ビスフェノール類から合成されるベンゾオキサジン類とは, 開環重合の反応性や硬化物の物性が異なることが予想される。今回,示差熱量分析(DSC)により, 反応温度および反応の活性化エネルギーをもとめ, 反応性の差異について検討を行った。また, 熱開環重合後に得られた硬化物についても, 動的粘弾性測定を測定し, 熱機械的特性について検討を行った。DSCの測定結果から, これらの樹脂はいずれも220℃~230℃の範囲で発熱ピークを示した。熱分解は,芳香族ジアミン構造により異なり, 320℃~350℃から始まり, 700℃に於ける残存重量の割合は, 35wt%~60wt%であった。さらに, 動的粘弾性測定の結果から, ベンゾオキサジン環のスペーサーの分子量が小さいほどガラス転移温度が高く,ガラス転移温度未満での貯蔵弾性率も高いという結果が得られた。また,動的粘弾性の測定結果から架橋密度を算出し,架橋密度とガラス転移温度の関係を調べ,架橋密度が高い樹脂ほどガラス転移温度は高くなるという結果が得られた。

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