ミクログリアの最近の話題―次々と明らかになるミクログリアの生理的新機能

書誌事項

タイトル別名
  • Recent topics concerning microglia—accumulating evidence for the physiological roles of microglia in the normal brain
  • ミクログリア ノ サイキン ノ ワダイ : ツギツギ ト アキラカ ニ ナル ミクログリア ノ セイリテキ シン キノウ

この論文をさがす

説明

正常な脳内で静止型として存在するミクログリアは,病態時に活性型となり細胞特性を激変させ,病変部に集積,増殖し,損傷した神経細胞を貪食して排除する一方,生理活性物質を産生放出して神経細胞の修復を行っている.これまでミクログリア研究は,この病態時の活性型ミクログリアが主な研究対象として進められてきた.しかし,近年の研究により,脳内マクロファージと見なされてきたミクログリアがモノサイトやマクロファージとは起源の異なる細胞であり,中枢神経系独自の性質を有する細胞である可能性が高まってきた.そして,正常脳の静止型ミクログリアが活性型の準備段階ではなく,脳内環境の監視,神経回路網再構成,神経活動の制御など,中枢神経系の生理機能維持に積極的に関与していることが明らかになってきた.我々は特に,神経発達におけるミクログリアの重要性に関する新知見を得ている.このように,ミクログリアの多彩な生理的機能が日々明らかとなっている.

収録刊行物

  • 日本薬理学雑誌

    日本薬理学雑誌 140 (5), 216-220, 2012

    公益社団法人 日本薬理学会

被引用文献 (2)*注記

もっと見る

参考文献 (101)*注記

もっと見る

関連プロジェクト

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ