ヒト型抗CD20モノクローナル抗体薬オファツムマブ(アーゼラ<sup>®</sup>)の薬理作用と臨床試験成績

  • 吉崎 弘幸
    グラクソ・スミスクライン株式会社 開発本部前臨床開発部
  • 友成 章
    グラクソ・スミスクライン株式会社 開発本部MAオンコロジー部

書誌事項

タイトル別名
  • Pharmacological profile of human-type anti-CD20 antibody ofatumumab (Arzerra<sup>®</sup>) and its clinical study results
  • Pharmacological profile of human-type anti-CD20 antibody ofatumumab (Arzerra^|^#174;) and its clinical study results

説明

オファツムマブは,新規のヒト型IgG1κモノクローナル抗体であり,B細胞に発現するヒトCD20分子上の細胞外小ループおよび細胞外大ループを含む抗原決定基(エピトープ)に特異的に結合する.In vitro試験において,オファツムマブはCD20の発現レベルが高いB細胞性腫瘍細胞株のみならず,発現レベルが低い腫瘍細胞株に対しても補体依存性細胞傷害作用(CDC)を介した細胞溶解を惹起した.さらに,オファツムマブは抗体依存性細胞介在性細胞傷害作用(ADCC)を介しても細胞溶解を惹起した.重症複合型免疫不全(SCID)マウス異種移植モデルにおいて,オファツムマブは用量依存的に生存期間を延長させる作用が示された.また,海外第II相臨床試験において,フルダラビン抵抗性の慢性リンパ性白血病(CLL)患者に対してオファツムマブ単剤療法の臨床的有用性が示唆された.さらに日韓共同第I/II相臨床試験において,日本人CLL患者に対するオファツムマブ単剤療法の良好な忍容性と臨床的有用性が示唆された.オファツムマブは,本邦においてこれらの非臨床および臨床試験の成績に基づき,2013年3月25日に「再発又は難治性のCD20陽性CLL」を適応として承認された.

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参考文献 (6)*注記

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